建築のスクラップアンドビルドと保存・活用に関する特別調査委員会

■設置期間
2020年4月~2022年3月

■設置目的
スクラップアンドビルドに偏りがちな現在の建築・都市再生から、保存・活用によるストック活用とのバランスを回
復し、サステナブル社会の形成、建築文化の継承、良質な都市環境の維持をはかることを目指す。

■委員構成
委員構成は、会員サインインすると閲覧できます。

■調査研究の項目
建築の専門各分野が協同し、社会科学や経済が連携して、市民との価値観の共有化も視野にいれて、現状の調査と有
効な施策についての調査研究を行う。

事例研究:ストック活用が可能なものと壊して再開発する方が適切なもの、経済活動と文化活動のバランスを
考えるための題材となる事例調査を行う。保存活用された建築、解体された建築、保存か解体かが懸案になっ
ている建築を調査し、それぞれの関係者、議論、結果に至る要因を分析する。

技術課題の調査:解体されるケースでは、耐震性の問題が最大の要因とされる場合が多い。そのため耐震改修
によって保存活用に至ったケースついて調査研究する。また雨漏りや老朽化など課題とされるケースも多く、
それらの問題や解決を模索した実態を調査研究する。さらに保存活用において省エネルギーなど、環境技術の
応用などで従来よりも価値を向上させた実績についても調査研究する。

社会経済的仕組み:公共建築では官民連携PPPなども手法として有効な可能性がある。事例や手法を調査し、
産官学の連携によるストック活用を社会問題の解決の一手法として定着させる方策を調査研究する。

地域資源:建築は地域の資源でもあるともいえる。地方創生のための財産として活用されている事例を調査研
究する。

社会との価値の共有化:建築専門家と一般市民、所有者、事業者との間に建築に関する価値観の相違がある。
その価値観の違いを調査して明らかにするとともに、市民に愛される建築の要因を調査研究する。一般市民へ
の建築文化のPRや普及活動の状況を調査する。

これらの調査にもとづき、有効な手法については普及展開をはかり、残された課題についてはさらなる研究のポイン
トを明らかにする。