「誠之堂」および「清風亭」の保存について

10月理事会の決議にもとづき,10月22日に第一勧業銀行に提出した保存要望書に対して,同銀行から下記の回答がありました。



平成9年12月16日

社団法人 日本建築学会
会 長 尾島俊雄様

株式会社第一勧業銀行
頭取 杉田力之

「誠之堂」および「清風亭」の保存について

拝啓 時下益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。

 当行業務につきましては,日頃より格別のご高配を賜り,誠に有難く厚くお礼申し上げます。

 さて,当行が所有しておりました「誠之堂」および「清風亭」につきましては,埼玉県深谷市からのご要請を受け,移築保存のために,11月25日付で同市へ譲渡いたしましたので,ここにご報告させていただきます。

 深谷市では現在「渋沢栄一翁の顕彰とレンガを活かしたまちづくり」をスローガンに都市づくりを展開中でありますが,両建築物を市の活性化の中核的施設として活用して行くとの計画です。

 両建築物を渋澤栄一翁生誕の地である深谷市において保存し,広く社会一般に公開していただくことで由緒ある建築物を後世に末永く継承して行くことができるものと考えております。

 本件につきましては,貴学会より頂戴いたしました貴重なご意見を踏まえ検討を重ねて参りました結果,上記の結論に至ったものでございます。

 「誠之堂」および「清風亭」に深甚なるご理解とご助言を賜わりましたことに厚くお礼を申し上げますとともに,ご報告が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。

 末筆ながら,貴学会の益々のご発展を心より祈念申し上げ,ご挨拶かたがたご報告に代えさせていただきます。

敬具