会長・副会長からの近況報告(メルマガ)

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  • 正副会長のメルマガは、①会長ショートメッセージ、②副会長リレーコラム、③学会メンバーによるミニ通信の3部構成で会員の皆さまにお届けいたします。
 

■最新号(第39回:2025年9月1日配信)


◎9月の会長メッセージ
 
小野田 泰明
会長 小野田 泰明(東北大学教授)

 9月9日火曜日から、九州大学伊都キャンパスやアクロス福岡を会場に、「アジアから考える」というテーマで、日本建築学会大会が挙行されます。初日は、オンラインを中心とした研究協議会やPDですが、10日からは、対面での研究発表・シンポジウム・表彰・懇親会です。魅力的な見学会や関連行事も目白押しです。私自身は8日に九州大学筑紫キャンパスC-CUBEで行われる司法支援建築会議から参加させて頂きます。
 人口減少の影響が社会全体に及ぶようになって、その対応に社会全体がようやく目を向けるようになっています。遅きに失した感もありますが、何もしない選択肢は考えられない以上、出来ることから始めなければなりません。それが、人生が展開する「場」をつくる建築・都市を生業とする我々であればなおさらです。大会HPの会長挨拶にも書きましたが、福岡を中心とする地域は、人口減に意気消沈する我が国では、珍しく人口が増えています。様々な理由が考えられますが、「アジアから考える」というテーマに表象されるような、外部に開かれて続けたことによる日本型のプラグマティズム、別な言葉で言えば、人生を楽しむことに対する貪欲さと大局的な融通無碍さに裏付けられた楽観的現実主義が息づいているからのように思います(北陸に生まれ東北で育てて頂いた人間の完全な偏見ですが…)。
どのような力によって活力が生み出されているか、みなさまと一緒に、楽しみながら一緒に考える機会にできればと思います。

ということで、今月の会員ミニ通信は、九州大会で運営に汗をかかれるとともに、学会の重要な外への窓でもあるJARをご担当されている伊藤一秀先生です。副会長コラムは、そうした活動を支える学術レビュー・支部担当の五十田博先生がご担当です。
 
◎副会長リレーコラム

五十田 博
副会長 五十田 博(京都大学生存圏研究所教授)

 日本建築学会大会に関連して。日本建築学会は、1959年10月の近畿大会の緊急集会で防火、耐風水害のための木造禁止を含む決議をしています。そして、その約50年後の2010年にとある雑誌で「日本の家屋で、それも国産の木材を使う率は低い」、「その原因のひとつは日本の建築学会が木造建築を否定したから」と、その決議が取り上げられました。その際、日本建築学会はHP上で決議内容を説明し、2011年の木質構造のパネルディスカッションでは『「木造禁止」を再考する』を開催しています。この決議の発端は、1959年9月に発生した伊勢湾台風の被害ともいわれていますが、それより10年ほど前より都市の不燃化を目指した木造建築の制限がなされており、さらに国内の木材の枯渇を背景に国を挙げて木材の利用も規制していました。ある意味、伊勢湾台風は発端ではなく、最後の一撃、日本建築学会の決議は、国や他団体(日本学術会議は同様の決議をその前にしています)よりも遅れていたといえます。そして、木造禁止決議後の大会における木造分野の発表は数件となりましたが、高度経済成長時代を迎え、木造建築の需要は減ることなく、着工床面積は1970年年代まで伸び続け、それを支えたのが輸入材です。決議の影響は学会内ではあったものの社会的にはあまりなかった、といったところでしょうか。
 以上、大会での決議に関する簡単な紹介でした。それにしても現在の木材利用促進とは全く違う動きで、それぞれの時代で課題は変わります。まあ、変わるものと変わらぬものがある、おおざっぱに言えば、変わるものへの対応が建築らしく、変わらぬものの追及が学術らしい、といったところでしょうか。
 
◎会員ミニ通信:伊藤 一秀(九州大学教授,JAR Editor-in-Chief)

 2016年に中島正愛会長(当時)より国際的に競争力のあるAIJ独自の英文ジャーナルを創刊せよ,との特命を受けまして,副会長(当時)の田辺新一先生と共に,学術理事(当時)として準備を開始し,多方面から協力を得ながら2018年1月にJapan Architectural Review (JAR)を創刊,2025年の今年は創刊から8年目を迎えています。JARは着実に国際競争力のあるジャーナルとして認知されるに至っており,2024年にはJournal Impact Factorが0.8 (5-year IFは1.0),CiteScoreは1.5を獲得しています。
 JARはそのタイトルにJapanを冠している通り,AIJとして我が国の建築学に関連した最新成果を世界のアカデミアに向けて発信することを目的としています。そのため,掲載論文のTop Authorの94%以上が日本国内の研究機関に所属しています。世の中には多種多様なジャーナルが存在しており,質量共に圧倒的な存在感を示す中国をどのように取り込むかがJournal Metricsの向上には必須の要素になっていますが,JARは日本国内からの情報発信に特化する,独自の戦略を採用しています。JARのJournal Metricsは,純粋に我が国の建築関連国際競争力を客観的に示しているとも云えますが,現状の数値は(我が国の建築関連業界の競争力を冷静に鑑みれば)正当な評価からはほど遠い(非常に過小評価されている)と考えています。
 JARは構造や環境といった工学分野,意匠・歴史・計画分野に加えて,優れた建築作品を学術的に説明するDesign Reviewの投稿カテゴリを設定しています。JARは建築学に関連する全ての分野をカバーする世界的にも非常にユニークなジャーナルです。
 全てのAIJ会員の皆様からの積極的な投稿をお待ちしております。

Kazuhide Ito. Toward Becoming the Leading Journal in Architectural Academia -Update of Editorial Board, Papers of the Year 2024, and the Most Cited Paper. Japan Architectural Review 8.1 (2025): e70048.
(https://doi.org/10.1002/2475-8876.70048)
 

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