『軽鋼構造設計施工指針』[第3版]意見募集(個人会員限定)

 『軽鋼構造設計施工指針・同解説(1985年版)』は1981年の建築基準法改正(新耐震基準)に対応した形で整備され,2002年に国際単位系(SI)への移行に伴う改版が行われた以外にはそのままの形で35年以上,軽量形鋼を中心とする薄板鋼部材で構成された軽鋼構造物の設計に広く利用されてきました.1985年版は一次設計の手続きのみで二次設計の性能保証を試みるなど先進的な内容でありましたが,構造特性係数等の数値や保有耐力接合の定義が建築基準法施行令と整合していなかった点もあり,実務設計で利用しづらい点も指摘されてきておりました.その一方,亜鉛合金メッキされた2.3mm未満の軽量形鋼,ドリルねじ,および合板耐震壁からなるスチールハウス関連の設計指針が2014年に告示化され,広く用いられるようになってきております.これらの背景のもと,鋼構造運営委員会では『軽鋼構造設計施工指針』として35年ぶりに大改定するために,2019年より軽鋼構造設計施工指針改定小委員会を設置し,活動しています.
 改定指針では,従来の理念を守りつつも,法的基準類と整合し実務設計に使用できるよう各規定を整えました.また一般の鋼構造では使用できないドリルねじを含め,亜鉛メッキされた2.3mm未満の薄板も対象とした接合部の許容耐力,終局耐力式を明示しました.さらに別途接合部係数を規定し許容応力度設計における安全率で保有耐力接合を検証できる工夫がなされております.これらを通じて,ブレース付骨組では概ね弾性応力解析のみで保有水平耐力計算を包括できる構成といたしました.
 地球環境保全の流れの中で,重量鉄骨を用いずに建築の用途,規模に応じた適切な鋼材の有効利用を目指すことは重要な視点となります.本指針で示された設計の考え方と規準をもとに新しい発想で軽鋼構造の利用を発展させていただければ幸いと考えております.
 現在,2024年初めの刊行を目指して専門家によるレビューを行っておりますが,会員のみなさまにもお目通しいただき,ご意見をうかがうことになりました.ぜひ,多角的な観点から建設的なコメントをお寄せください.なお,ご意見は日本建築学会会員番号・氏名を明記のうえ,下記2名宛にEメールでお送りください.
日本建築学会 構造委員会 鋼構造運営委員会
軽鋼構造設計施工指針改定小委員会
『軽鋼構造設計施工指針』[第3版]本文案概要
(ダウンロードするには本会Webサイトへのサインインが必要です。)
 
ご意見送付先 竹内 徹(小委員会主査)・五十嵐規矩夫(同幹事)
takeuchi.t.ab*m.titech.ac.jp ・ ikarashi.k.aa*m.titech.ac.jp
(*を@にかえて送信してください。)
 
締  切 2023年1月31日(火)

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