『プレストレストコンクリート設計施工規準・同解説』(以下、PC規準)は、1961年に発刊され60年が経ちました。最後に改定されたのは1998年であり、それからすでに20年以上が経過しています。前回1998年の改定は、1995年阪神・淡路大震災の被害調査結果を受けて行ったものですが、PC規準に規定された終局強度設計法を用いて設計された建築物では大きな被害は見られなかったこともあり、PC鋼材や鉄筋コンクリートに関するJISの改正およびSI単位への移行、1998年までの10数年間の研究成果の採用、古くなった資料の差し替えなど必要最小限の変更にとどめました。 一方、2007年の建設省告示1320号の改正に伴い、『2009年版プレストレストコンクリート造技術基準解説及び設計・計算例』(日本建築センター)が発刊され、限界耐力計算を行えば、柱・梁・壁をアンボンドPC部材とすることも可能となりました。また本会からは、限界耐力計算での設計を目指し、PC設計に関する多くの情報を網羅した『プレストレストコンクリート造建築物の性能評価型設計施工指針(案)・同解説』(以下、PC性能評価指針)が2015年に、さらに、2020年には、『プレストレストコンクリート造建築物の保有水平耐力計算指針(案)・同解説』がそれぞれ刊行され、PC規準を取り巻く状況は変わりつつあります。 このような背景のもと、新たな時代のPC規準に相応しいものとするために、PC規準指針小委員会では、改定の方針を定めるとともに本文案の検討を精力的に行ってきました。本改定では、PC性能評価指針から最新の研究成果を必要に応じて取り込み、条項の細部にわたる見直しを行います。 新しい時代のPC規準として相応しいものとなっているかどうか、本文案を公表して広く情報収集を行い、それらを適切に反映する機会をもつこととなりました。会員のみなさまにもお目通しいただき、ご意見をうかがいたいと思います。ぜひ、多角的な観点から建設的なコメントをお寄せください。皆様からの忌憚のないご意見をお待ちしております。 なお、ご意見は日本建築学会会員番号・氏名を明記のうえ、以下宛にEメールでお送りください。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
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