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わが家の耐震 −RC造編−

4. 耐震補強の方法とその事例


耐震診断の結果,地震に対する安全度が十分でないと判断された場合,耐震補強することをお勧めします。具体的な補強設計は専門家に相談することになりますが,次のような補強方法があります。参考にして下さい。

(1)建物の耐力を増大させる方法

  1. 壁を増設する。(図15,写真10)   
  2. 鉄骨のブレースを増設する。(写真11)   
  3. 壁の厚さを増す。(写真12)

  などの方法があります。


図15 壁の増設による補強


写真10 壁の増設:配筋状況


写真11 鉄骨ブレースによる補強


写真12 壁の増打:配筋状況

 

(2)柱のじん性(ねばり強さ)を向上させる方法  

  1. 十分な帯筋や溶接金網を施したうえ,柱を太くする。(図16)   
  2. 鉄板などを巻く。(写真13)   
  3. 腰壁やたれ壁と柱の縁を切り,柱のせん断破壊を防止する。(図17)

  などの方法があります。


図16 溶接金網による柱の補強


写真13 鉄板巻補強


図17 柱とたれ壁・腰壁間にスリットを入れることによる柱のせん断破壊の防止

 

(3)耐震的に不利な建物形状を改善する方法  

  1. ピロティ形式の建物の1階に壁を増設する。(図18)   
  2. 平面計画上,壁が偏在する場合,適切な位置に壁を増設する。(図19)

  など,建物全体のバランスをよくする方法があります。


図18 ピロティ形式の増設壁による補強


図19 壁が偏在する建物の増設壁による補強

以上のような方法の他に,地盤と建物の基礎の間に免震装置(図20)を取り付け建物の揺れを小さくする技術も開発されています。


図20 免震装置による地震エネルギーの吸収


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