学会の概要
本会は,定款の目的を達成するため,調査研究の振興,情報の発信と収集,教育と建築文化の振興,業績の表彰,国際交流,提言・要望などの事業を幅広く実施しています。また,全国に9つの支部と36の支所を設けて,それぞれの地域に即した活動を展開しています。
調査研究の振興
建築学の専門分野別に16の常置調査研究委員会を設置し,さらにそれらのもとに約560の小委員会,ワーキンググループを設けて,延べ7,000名の委員が年間約2,300回の会合を開いて専門的な調査研究活動を行っています。
また,刻々と変化する社会的な要請にもとづく課題に対しては特別研究委員会を組織し,対応しています。
調査研究委員会の活動成果は,学会の規準,仕様書,指針,報告書等として出版されるとともに,講習会,シンポジウムを通して会員をはじめ広く建築関係者に対して普及がはかられています。
本会の会員が一堂に会し,最新の学術・技術情報を交換する本会最大の催しです。会員の研究発表の場である学術講演会・建築デザイン発表会と,専門分野ごとの研究協議会・パネルディスカッション,講演会,建築展などが毎年一度3日間にわたって開催されます。
日本学術会議をはじめ関連する学協会と共催で研究発表会,シンポジウム等を開催し,学際的な活動を行っています。
- 調査研究委員会
- 常置調査研究委員会ホームページ
- 他学協会との共催事業
情報の発信と収集

本会の発信するさまざまな情報を全会員に周知するための機関誌『建築雑誌』を毎月発行しています。『建築雑誌』は特集,トピックス,資料なども充実しており,建築界の総合雑誌ともなっています。

『日本建築学会論文集』は,複数の専門研究者による厳格な審査を通過した研究論文を掲載する月刊の論文集で,建築の分野では最も権威があると評価されています。構造系 ,計画系,環境系の3種類が発行されています。

会員の優れた技術的成果を発表する『日本建築学会技術報告集』を年3号発行しています。専門家の審査を経たものであり,高く評価されています。

『Journal of Asian Architecture and Building Engineering』(JAABE)は,日本建築学会,中国建築学会,大韓建築学会が編集する建築に関する国際的な学術誌です。

『Japan Architectural Review』(JAR)は,建築に関する英文論文誌です。『作品選集』掲載作品のレビュー,『日本建築学会論文集』掲載論文の英訳版論文,レビュー論文,原著論文を掲載する本会最高峰のジャーナルです。

会員の設計した優れた建築作品を発表する『作品選集』を年1冊希望される会員に配布しています。掲載された作品は専門家の審査を経たものであり,高く評価されています。
本会は定期刊行物以外にも,各種の出版物を編集刊行しています。これらの出版物は,設計や現場での実務に欠かすことのできない各種規準・仕様書・指針をはじめ,阪神・淡路大震災などの災害調査報告,建築設計資料集成や建築学用語辞典,研究資料や研究報告書,建築教育用のテキスト・スライド・ビデオ,さらには建築専門家以外の市民を対象とした書籍にまで及びます。
また建築会館には資料頒布所を設けて,本会出版物を常時とりそろえています。
書籍約5万冊,和洋雑誌約1千種10万冊を所蔵するわが国最大の建築専門図書館です。コピーサービスも行っています。館内にはビデオライブラリーも設置され,各種のビデオが収集,公開されています。
また,本会は文部科学省大学共同利用機関である国立情報学研究所のデータベースに参加しており,本会で発表された研究情報はもちろんのこと,他学会で発表された論文もオンラインで検索できます。
建築博物館では,散逸しつつある貴重な近代建築資料(特に図面等)の所蔵調査や蒐集,収蔵資料の整理・研究等を行っています。
- 建築雑誌
- 日本建築学会論文集
- 日本建築学会技術報告集
- Journal of Asian Architecture and Building Engineering(JAABE)
- Japan Architectural Review(JAR)
- 作品選集
- 学術講演・建築デザイン発表梗概集
- 出版物
- 図書館
- 建築博物館
教育・文化事業の振興
CPD登録は,建築CPD運営会議の建築CPD情報提供制度を利用しております。
調査研究委員会の研究成果の普及をはかるため,講習会・シンポジウムを多数開催しています。講習会にはインターネットを通して受講するeラーニング形式もあります。さらに専門分野ごと各支部ごとに独自の講習会・シンポジウムも開催しています。
会員の設計能力向上をはかるため,毎年,課題を定めて実施しています。
全国の大学・高専から推薦された優秀な卒業設計作品を毎年,全国で巡回展示しています。
著名建築家の講演会,各種建築展,歴史的建造物や現代建築の見学会を各地で開催しています。
社会全体の建築文化への関心を高めるために,「建築文化週間」を設定して,市民対象の講演会,建築ウォッチングなどを全国規模で実施しています。また,小中学生とその両親を対象とした「親と子の都市と建築講座」も各地で開いています。
建築系大学の卒業論文,修士論文のうち特に優秀な論文に対しては,毎年,優秀卒業論文賞,優秀修士論文賞を授与しています。
建築教育の質の向上をめざして全国の大学・短大・高専の建築学科から推薦された代表からなる建築教育連絡協議会を設け,教育関係者への情報提供,意見集約を行っています。
- 能力開発支援制度(CPD)
- 講習会・シンポジウム
- 設計競技
- 卒業設計展示会
- 講演会・展覧会・見学会
- 建築文化事業
- 卒業論文賞・修士論文賞
- 建築教育の振興
業績の表彰・その他
わが国の建築文化を高める目的で表彰制度を設置し,毎年,優れた業績を表彰しています。賞の種類は,それぞれの目的と業績の内容によって,大賞,学会賞(論文,作品,技術 ,業績の各部門),教育賞,奨励賞,作品選奨,文化賞に分かれています。
本会は複数の国際的な学術団体に加盟して国際会議を主催したり支援したりするとともに,アメリカ,中国,韓国 ,台湾の学会と協力協定を結んで共同事業を実施しています。
本会独自の調査・研究に基づいて建築や都市のあり方や防災性向上に関する提言を国や自治体に行ったり,地球環境・建築憲章を制定し,持続可能な循環社会の実現に向けて,わが国の政策や環境問題に対して積極的に発言しています。また価値ある建築物の所有者に対して保存の要望を行うなど,建築文化の高揚をはかっています。
支援建築会議は,日本建築学会がより積極的に社会に貢献する活動として立ち上げたものです。
学術団体としての中立的な立場から,これまで蓄積してきた学術的・技術的知見を駆使し,学識・経験豊かな会員が優れた住まい・まちづくりの実現を支援することを目的としています。
2000年に設置した司法支援建築会議を皮切りに,社会的貢献をより重視し,創立120周年にあたる2006年には,まちづくり支援建築会議と住まいづくり支援建築会議を設立しました。
その後2012年にはまちづくり支援建築会議と住まいづくり支援建築会議を統合し住まい・まちづくり支援建築会議とし,さらに2013年に子ども教育支援建築会議を設立することにしています。
本会の活動拠点として建築会館を運営しています。建築会館にはホール,会議室,図書館,建築博物館,ギャラリー,資料頒布所,事務局などがおかれ,中庭には可動屋根を設置し,会員にさまざまな活動の場を提供しています。
- 表 彰
- 国際交流
- 提言・要望
- 支援建築会議
- 建築会館の運営
組 織
本会は総会,理事会によって運営されています。総会は正会員の直接選挙によって選ばれた代議員と,総会で選任された役員(正副会長,理事,支部長,監事)で構成され,本会運営上の重要な事項について審議決定する機関です。理事会は会長と5名の副会長,理事,支部長から構成され,本会の会務全般の運営をつかさどる機関です。会長・副会長は代議員の選挙によって選出され,支部長はその支部地域に在住する正会員の直接選挙によって選出されます。代議員・役員の任期は2年です。
全国を9つのブロックに分けて支部を設置しています。各支部は地域の実情に即して独自の調査研究活動を行うとともに,それぞれ研究発表会,講演会,講習会,見学会,表彰などの事業を実施しています。支部の補助機関として全国に36の支所を設けて,県単位の活動も行っています。
- 運営組織
- 支部・支所