平成15年1月16日

社団法人日本建築学会 会長 仙田満 殿

東京都住宅局長
橋本 勲

旧都営大塚女子アパートの解体について(回答)

 日頃より、東京都の住宅行政につきましてご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
 さて、旧都営大塚女子アパートにつきましては、すでにご説明していますとおり、都営住宅敷地は都民共通の財産であるとの観点に立って、この土地の活用を図っていくことが重要であると考えております。
 建築後70年以上を経過した同アパートは、外壁の剥落等が生じ防護ネットを設置するなど建物の劣化や内装設備の老朽化が著しく、耐震性や防災性などの点からも建物の安全性を確保することが極めて難しい状態にあります。このため、現在の建物を改修し活用していくためには、建物安全対策費や内装設備の復旧費に多額の費用を要するものと考えております。
 これらを勘案した結果、同アパートの建物を解体し敷地を更地にしたうえで、都営住宅を建てるのではなく、他の土地利用を図ることといたしました。なお、一月中旬から、建物の解体作業に入る予定となっておりますが、これに伴う記録保存につきましては、日本建築学会に依頼し、すでにご承諾いただいているところであります。
 このような事情につきましてご理解いただきますとともに、今後とも東京都の住宅行政にご理解とご協力をいただきますようよろしくお願いいたします。