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市民のための耐震工学講座

10. 防災について


 ここでは,建物や都市の防災について図43を参考に考えます。

 建物の規模では,まず「火の用心」が大切です。火が出ても,スプリンクラーや消火器などの消火設備があれば拡大する前に火を消せます。また,内装などに燃えない不燃材や燃えにくい難燃材を使っておけば,拡大をある程度防げます。火が大きくなっても,床や壁を燃えないようにして防火扉で仕切った「防火区画」を設けておけば,煙や火が広がらず無事に避難できます。そして,建物の構造を耐火的につくっておけば,建物が焼け落ちて外に火事が広がることはありません。

 都市の規模でも,まず「火の用心」が大切です。火事が起こっても,建物の構造と外装を燃えないようもしくは燃えにくくつくっておけば,火は広がれません。このようにを整備するために,「防火地域制」によ「防火地域」と「準防火地域」が指定されています。防火地域は主に大都市の中心が,防火地域は主にその周辺が指定されます。そして,構造,火のつきやすい屋根や軒裏の外装,窓などの開口部の広さやつくり方に,それぞれ規定が設けられています。

 以上のように災害を防ぐために色々な対策がとられています。しかし一番大事なのは,使い古された言葉ながら「一人一人の心がけ」です。例えば天ぷら火災を考えると,火を消さずに離れる,火災を起こさない設備にしていない,消火器を近くに置かない,家の内部を燃えにくくしていない,それぞれが「一人一人の心がけ」の欠如によります。「一人一人の心がけ」,使い古されたようですがあまり使われてないのではないでしょうか。


図43 火災と建物22)


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