日本建築学会建築博物館デジタルアーカイブス公開について(お知らせ)

日本建築学会建築博物館委員会

 図面・文書・写真などの建築関係資料は、建築について考えるための貴重な文化遺産であり、新たな建築や建築思想を構築するための重要な手がかりになりうるものである。しかし、日本においては、特に近現代の建築資料が、ほとんどの場合その存在すら知られないまま、散逸・消失の危機にさらされているのが現状である。そこで日本建築学会は、2003年1月に、それらの資料の蒐集・整理・保存・研究のための組織として、また、展示のためのギャラリーなどを活用して広く一般に建築についての情報を提供する場にすることも意図して、建築博物館を開設した。
 この建築博物館の収蔵の主な対象とする資料は、特に図面・文書・写真である。これまでに蒐集したのは、伊東忠太資料、曽禰中條設計事務所資料、山田守資料、清家清資料、宮脇檀資料などであるが、今後もコレクションの充実を積極的に進めていく計画である。 
 一方、資料蒐集にあわせて資料情報の保存や公開のためには、コレクションのディジタル化が、大きな課題となっている。
 平成18年度(2006年度)には、日本学術振興会の科学研究費補助金の交付を受けて、伊東忠太資料のディジタル画像の公開を行うこととなった。諸研究費補助金による蒐集資料のデジタル化とその公開は、今後も継続的に行い、平成18年度に伊東忠太資料、平成19年度から平成21年度に曽禰中條事務所資料等を対象に、画像のデータベース化と資料目録検索システムを構築し、順次公開していくことを計画している。

平成18年度(2006年度)公開内容
■伊東忠太資料

 当資料群は伊東自身による日記,書簡,古写真などから構成され、総資料数8,969点からなるもので、平成8年に遺族の伊東知恵子氏より寄贈された。本会への寄贈以前から遺族による整理作業が進められ、資料の形態や関係地域別に大分され、更に年代や関係者ごとに細分されている。その後洋書や青焼き図面などが追加され、現在は11の大分と96の細分によって資料群が構成されている。


公開資料の内訳

●野帳 (全冊公開)
 明治27年頃〜昭和22年にかけ、伊東の公私にわたる日記として書かれた市販横罫ノート76冊。国内外における調査旅行の記録やスケッチ,建築作品の下絵,各種事業の構想,日常の記録など、あらゆることが記されている。近代日本における建築界の動向が、伊東の思想や展望に大きく影響していたことを裏付けるものである。

●葉書絵 (500枚公開)
 大正3年〜昭和25年にかけ、伊東が描き綴った絵葉書3717枚。国内外の情勢,社会,風俗にまつわる出来事を風刺画として描いたものである。

●うきよの旅 (全頁公開)
 明治22年〜明治26年における東京帝國大學工学部造家学科在籍時の日記。市販の横罫ノート17冊に鉛筆や万年筆を用いて、日々の動静や言葉を交わした相手や内容について、挿絵などと共に刻銘に書き込まれている。若き日の伊東が建築に対する思潮を形成させていく過程が見て取れる。

●忠太自画傳

●修学旅行記 (全頁公開)
 フィールドノート,葉書絵,うきよの旅のように一定の書式に従った長期間にわたる連作ではなく、単体で存在する自記記録や漫画。

●法隆寺に関連するスケッチ、写真、分析メモなど (11点公開)

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